日本で生まれたバイオの源流(2)
-池田菊苗(Ikeda Kikunae 1864-1936)-
池田 菊苗 博士

提供:味の素(株)
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今からおよそ90年以上も前のことです。帝国大学理科大学(現在の東京大学)の教授であった池田菊苗博士は人間の感覚と化学の関係に興味を持っていました。なかでも物質の化学的構造とその味は密接な関係があることは明らかであろうと考えられるにもかかわらず、そのような研究が殆ど無いことに注目しました。当時は基本となる味は「あまい」「しおからい」「すっぱい」「にがい」の4味であり、すべての味はこれらの4つの味が種々に混じり合ったものであるとされていました。ところが池田教授はこの4つの味の他にも基本となる味があると考えました。それは昆布、鰹節の煮出し汁や魚類、肉類などを食べたときの「うまい」と感じる味(おいしいとは異なる)、すなわち「だし」の味でした。1907年、池田教授はこの「うまい」と感じる味を「うま味」と名付け、その正体を化学的に突き止める研究をはじめました。およそ40キログラムという大量の昆布を煮出してそこから「うま味」の正体がアミノ酸の一種であるグルタミン酸であることをつきとめました。次に池田教授はこれを調味料にすれば国民の健康増進に役立つと考え、小麦のタンパク質からグルタミン酸を取り出す方法を発明しました。この発明は翌年に鈴木製薬所(現在の味の素株式会社)により工業化されました。現在グルタミン酸は微生物による発酵法で製造されています。なお、こんにちでは「うま味」は基本となる味の一つとして世界的に[UMAMI] として通じる言葉になっています。
池田博士が昆布から
とり出した グルタミン酸

提供:味の素(株)
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